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ヒヒィン |
永遠に続くものはない、あらゆるものに終わりは来る。それは自然の摂理というやつだ。突然だが今日は旅行だ。マルカルスへ行く。(よせあつめブルース風
理由は前回もらった手紙だ。マルカルスへ行けばドワーフの弓を高く買い取ってくれるそうなので、旅行がてら旅をしようと思ったのだ。ヤクザめいた抗争にもちょっと嫌気がさしてきたので。
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残念ながら防火のポーションはなかった |
ホワイトランを出発してすぐに、焼け落ちた家を見つけた。ドラゴンに焼かれたのか、昔火事で朽ち落ちたのかは定かではないが、ここに住んでいた人たちはどうなったのだろうか。もしかしたら、私が今までにすれ違った人々の中にいるのかもしれない。
めぼしいものを探したが何もなかったので外にでると、突然金属を叩きつけ魔法を放つ重々しい音が耳に飛び込んできた。窺ってみると、何やら吸血鬼の一団と何かの宗教団体が戦っているようだ。
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闘技場での戦いを見守る観客の気分。吸血鬼に100G賭けるわ! |
奥のほうが吸血鬼なのだろう。幸いなことに宗教臭い奴らは吸血鬼を殺し、無事に生き延びたようだ。両方とも死んで荷物を預かってやろうと思ったのだが、上手くいかないものだ。
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ぶっちゃけ吸血鬼っぽいのはあんただと思った |
「そこの少女! 吸血鬼に噛まれてない?」
「私が? いや噛まれていないけど」
「そうか。一応疫病治癒のポーションをあげるわ」
遠くから見ていた私に彼らは話しかけてきた。思惑がバレていないことを思いつつ、近寄るとポーションをくれたのだ。それも疫病の治癒だ。なかなか高度なポーションで、この人物たちがそれなりの技量と高潔な精神を持っているのはすぐにわかった。
「あなた達は?」
「我々はステンダールの番人だ。人を殺し、たぶらかすデイドラを狩ることを使命としている」
ステンダール
人間の罪をかばう慈悲深い神とされるが、その威光を汚す者には呪いを下すこともある。
「ステンダールって神様の? なるほどねえ」
「もしデイドラを見つけたら教えてちょうだい。
「了解」
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夜はいい。静かで、綺麗で |
デイドラを狩る、か。馬の背に揺られながら彼らを思い出す。自ら人の為に化け物退治をするとは、よくわからない人達だ。もちろん、それが彼らの信奉している神が望んだことだからだろうけども、それでもあまり理解は出来ない。私には特に信奉している神なんていないからだ。強いて言うならノクターナルだけど、どちらかというと信仰というより「好き」という感情に近い。ノクターナルは伝承を聞く限りでは恐ろしくも面白い邪神で、泥棒の神様のくせにしょっちゅう物を盗られる、という抜けたところが好きなのだ。
ノクターナル
夜と闇の女神。「夜の女王」としても知られ、盗賊ギルドなどシロディール中の盗賊に信仰されている。
両手に鳥を持った女性の姿をしている。
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このMODは本当に綺麗 |
魔法で光る道標がマルカルスまではまだ遠いことを教えてくれる。マルカルスはスカイリムの最西端だからだ。ここがどのへんにしろ、同じ方向に集落があるということは、まだまだ先なのだ。
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短刀にしか目が行かない |
途中に祭壇を見つけた。何やら良さげな短刀が備えられているので、きちんとお祈りしてから借りることにする。これはどうやらディベラの祭壇らしいが、何故こんなところにあるのだろうか。ただの街道の脇だというのに。
ディベラ
美と芸術の女神とされ、美しい女性の姿で描かれている。
美しさを司る女神である事から男女共に大きな支持を集めており、シロディールには多くのカルト集団が存在する。
この辺りは切り立った山が多く、非常に険しい地形をしている。景色はいいが、どことなく淋しげな風情があり、そこがまた魅力的だ。もし家を持つなら、この辺に家を持つのもいいかもしれない。あの洞窟の隠れ家非常にわくわくするのだが、出入りするのにいちいち川から入らなければいけないので面倒なのだ。
そんなことを考えながら歩いていると、何やら仰々しい集団が前から歩いてきた。どうやら結婚式へと向かうらしく、なかなか高級そうな服を着こなして歩いている。
だが中身はそうでもないらしく、一歩歩く度に愚痴を言っているのではないかと思うほどに口が悪い。
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そりゃ呼ばれたからだろ。記憶力ないの? |
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高価な贈り物、ねえ。言いふらすとか割りと馬鹿なのね |
「ねえねえどこいくの?」
私が声をかけると、露骨に舌打ちをして、いかにも嫌々と言った風に事情を説明してくれた。
「邪魔するな。高価な贈り物を揃えて遠路はるばるやってきたんだ。ヴィットリアの婚礼に遅れるわけにはいかない」
「そうだったんだ。邪魔してごめんなさいね」
関わるだけ無駄だな、と思い立ち去ろうとしたその時、後ろから付いてきていた女と目があった。
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( ˙-˙ ) |
「あっちへ行きなさい。スカイリムのクズ」
思わず剣を抜きそうになるが、ぐっとこらえて我慢することにする。いくらここが
「衛兵の目につかず」
「簡単に殺せる獲物だったとして」
「一度も刀を振っていないから飽き始めていたとしても」
私はとても優しいから我慢してやる。だが次に会った時は覚えておけよ女郎。
とブチギレ寸前で歩いていると、何やら見慣れない鎧を纏ったカジートが話しかけてきた。私の名前を確認すると突然剣を抜いてきた。
「あんたは暗殺ギルドに手配されてるのよ。ここであなたの旅路も終わ」
「丁度いいィイイイイイイイイッ! この野太刀の錆にしてくれるわ獣人種がッ!」
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炎の精霊からの無言のツッコミを感じる |
「ああすっきりした」
それからしばらく歩くと、急に前が開けた。
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けぶる景色もなかなか |
この川の根本にマルカルスがあるはずだ。
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